棚卸し作業の効率化

最初に結論ありきですが、日々の在庫管理(製品の生産数、入庫数、出庫数(出荷数))が確実に行われていないと、棚卸作業は時間がかかり、非効率な作業の繰り返しとなります。
また、棚卸作業はコストはかかるものの利益に反映されない作業です、棚卸作業の時間短縮を行うことで利益も向上します。

『2015年版小規模企業白書』より
「第3章 小規模事業者の未来:4.自社の利益を確保するための取組」においては(下表参照)
「売上金額・量を踏まえた適切な仕入、過剰在庫の整理」
「原材料・商品の仕入価格の見直し、価格の低い代替品の検討」
「金銭の出納管理(記帳)」
「在庫の量・金額の把握」

であったが、一番多いのが“...過剰在庫の整理”(54%)です。この様に、在庫の整理は必要不活な問題となっています。棚卸しは自社の利益を確保するため大事な作業です。


毎月末、3か月、6か月あるいは決算月など企業の規模、製品の数により様々な形態で行われていますが、通常、棚卸し作業はある程度の時間がかかります。

棚卸し作業毎に同じ作業形態を繰り返していては、棚卸し作業時間の短縮ということは考えられません。日毎に発生する生産・受発注情報の見直し(在庫情報と確実に反映されているか?)を行うなどを行い、棚卸し作業の簡略化及び作業時間の短縮を考えてみましょう。

現在はコンピュータシステムを使用して棚卸し作業を行う企業が多いと思いますが、実地棚卸においては、実数を把握するためには人的作業となります。棚卸し作業ではこの人的作業に多くの時間を費やしていることになります。

Ⅰ.一般的な実地棚卸の手順として

  1. 棚卸しリストを作成します。項目は、棚卸し時点で在庫となっている品名、所在場所(棚番号など)、空白の在庫数欄です。
  2. 棚卸し担当者は、上記1.の棚卸リストの数量欄に実際に確認した数量を記入します。
  3. 棚卸しリストに記入されたデータを、棚卸しデータとしてパソコンなどから入力し棚卸しデータを作成します。
  4. 棚卸しデータにより、在庫データの在庫数を実地棚卸の数量に書き換えます。
  5. 期末時は数量に単価を掛け合わせた金額を資産として計上します。

このような一般的な手順において注意すべき点としてコンピュータシステムを使用している場合は「項目」としてコンピュータシステムに保存されている、商品名と棚札に記入されている商品名が一致されているか確認しましょう、一致されていない場合は次回までに商品名を一致させる手段を検討しましょう、棚卸しリストには実地棚卸時点での在庫数を表示することにより、実棚数(人的に確認した数)との差異が明確になります。

Ⅱ.棚卸し結果の検討

  1. 棚卸しリストでの帳簿在庫と実在庫の差
    例えば、パソコン画面を見ただけで納期回答をすれば、実際はモノが出荷出来ず、クレームの山となります。 それが怖くて、営業部門は倉庫部門に本当に在庫があるかを確認したり、営業マンが確認に走ったりと無駄な作業が発生するのです。
  2. 在庫数の変化のない製品
    処分方法を検討しましょう。処分対象となる製品の保管場所は無駄遣いです。
  3. 棚卸しリストにない製品
    よくあるのは、試作品のようです、製品として登録するか検討が必要、保管場所の無駄遣いにもなります。
    廃棄損計上すれば経費として扱えます。
  4. 解決策として
    コンピュータシステムに保存されていた在庫数と実地棚卸しで記入された在庫数の差異について検討することから初めます、 人的作業の効率化は勿論ですが、生産数の正確性?日々の伝票(受発注伝票、生産伝票、赤伝など)、棚札(製品名は全社共通名にすべし)の正確性などの工夫やデータの入力方法の簡略化などが考えられます。

棚卸し作業の効率化が確実に実施されれば、徹夜作業が就業時間内に終了することも期待できます。付加価値として在庫量、在庫製品の種類の削減となります(過剰在庫は無駄な経費(人件費を含む)が発生しています)。但し、目の前の効率化におぼれず企業全体の情報化を検討しましょう。その第一歩として業務フローを作成してみることお勧めします。また、いきなりITシステム導入などと考えず、手近くにあるであろうOfficeのワードやエクセルで事務効率を半減してみるのも一手!!

現場及び倉庫の整理、整頓、清掃は通常行なうこと